お酒が体に悪いと言うと、「それは飲みすぎるからだ」といった反論がよく聞かれます。適度に飲めば健康にも良い、という考え方が広まっていますが、本当にそうなのでしょうか?
まず、よく聞く「酒は百薬の長」という言葉があります。この言葉を論拠に、飲酒を擁護する人も少なくありません。
しかし、実はこの言葉、古代中国の故事成語でも諺でもないのです。
この言葉が誕生したのは、中国の「新」という時代です。

当時の皇帝である王莽が、国家財政を豊かにするために考えたプロパガンダの一環でした。酒を広め、税収を増やすために、まるでお酒が健康に良いかのように見せかけて宣伝したわけです。
つまり、「酒は百薬の長」は、いわゆる単なるキャンペーンスローガンであり、実際には医療的根拠はないのです。
お酒の正体:依存性の高い「薬物」
そもそもお酒とは何でしょうか?
お酒は嗜好品であると同時に、アルコールという物質です。このアルコール、実は「薬物」として分類されるものです。文化的には親しみのある飲み物かもしれませんが、科学的に見ると、アルコールは非常に危険な依存性を持つ物質です。
アルコールの依存性の強さは、動物実験でも確認されています。実験では、動物にアルコールを与えたところ、再びそのアルコールを得るために、動物は何度もレバーを押す行動を繰り返しました。回数を増やすことで、その依存性の強さが証明されます。恐ろしいのは、アルコールがタバコのニコチンよりも依存性が高いという点です。
アルコールの依存性は違法薬物並み
では、アルコールの依存性はどのくらい強いのでしょうか。驚くべきことに、アルコールは違法薬物であるモルヒネやアンフェタミンと同じくらいの依存性を持っていると言われています。つまり、アルコールが合法だからといって、依存性の面で安心できるわけではないのです。
規制の弱さと健康リスク
世界的には、アルコールを厳しく規制している国も多くありますが、日本はこの規制が非常に緩いのが現状です。WHO(世界保健機関)も、アルコールは健康障害の最大のリスク要因の一つであると警告しています。こうしたことからも、アルコールは「合法の薬物」として私たちが捉えるべきものなのです。
このように、お酒についての認識を改めることが重要です。飲みすぎが悪いだけではなく、そもそもお酒は非常に依存性の高い物質であり、私たちの健康に大きなリスクをもたらす可能性があるということを理解する必要があります。
